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高度専門職から永住権申請へ!必要書類の詳細ガイド

2025/12/14
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高度専門職から永住権申請へ!必要書類の詳細ガイド
目次
日本での永住権(永住者資格)の取得は、日本で生活し働く多くの外国人にとって最終的な目標の一つです。高度人材ビザ(高度専門職)を持っていれば、この道のりは大幅に短縮され、通常の10年ではなく、わずか1年または3年で申請が可能になります。

しかし、期間短縮のメリットがあるとはいえ、永住許可申請の書類準備は、審査の遅延や不許可につながるミスを防ぐため、綿密かつ正確、そして不備なく行う必要があります。

本記事では、高度専門職(80点)から永住権へ切り替える際に必要なすべての書類について、最も詳細かつ完全なチェックリストとしてまとめました。

注:現在「高度専門職(80点)」ビザを保有していなくても、1年前の時点で80点以上の要件を満たしていれば、今すぐ永住申請を行うことが可能です。

参考:
高度専門職ビザのポイント計算方法

高度専門職から永住権申請へ!必要書類の詳細ガイド


入管庁の公式サイト上のリストはこちらで確認できます:
https://www.moj.go.jp/isa/applications/procedures/nyuukokukanri07_00130.html

しかし、私の実体験に基づくと、実際には追加で求められる書類がいくつか発生することがあります。そのため、本記事では可能な限り詳細にリストアップし、解説していきます。

永住権に関する関連記事もあわせてご覧ください:

1. 永住許可申請書

ファイルはこちらからダウンロードできます。入力が簡単なEXCEL版の使用をおすすめします。
詳しい記入方法はこちら:


2. 証明写真(3cm x 4cm)

申請前6ヶ月以内に撮影されたもので、裏面に氏名を記入してください。16歳未満の子供は提出不要です。
証明写真に関する規定(入管公式サイト):
https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/photo_info_00002.html


3. 永住許可を申請する理由書(日本語)

決まったフォーマットはなく、自由に記述できます。長さは人によりますが、A4用紙2〜5枚程度が目安です。書き方の基準やAIを使った作成方法については、以下の記事を参考にしてください:
私はAIを使って作成し、A4用紙約2枚分になりました。


4. 住民票(世帯全員分)

マイナンバー(個人番号)は記載されていないものが必要です。それ以外の事項は省略せずに記載された完全なものを用意してください。マイナンバーカードがあればコンビニで、または市役所で取得できます。

また、既婚者の場合は結婚証明書(婚姻届受理証明書等)の公証付き翻訳も提出します。


5. 職業を証明する資料

  • 会社員の場合:在職証明書(会社に発行を依頼、社印があるもの)。
  • 会社経営者・自営業の場合:
    • 所得税の確定申告書の控えの写し、または法人の登記事項証明書
    • 営業許可書の写し(ある場合)
  • その他の場合:職業に係る説明書(書式自由)およびその立証資料
  • その他、私は「向こう1年間の給与見込証明書」の追加提出を求められました。会社に作成・捺印を依頼すれば数日で入手できます。参考として、私の提出した様式を以下に添付します。

6. 所得および納税状況を証明する資料

これは永住許可申請において最も重要かつ複雑な部分の一つです。あなた(申請人)および扶養者について、直近1年間の収入状況と納税義務の履行を証明する必要があります。

住民税の納付状況証明

  • A. 課税証明書(または非課税証明書)および 納税証明書
    • 申請人および扶養者分
    • それぞれ1通、直近1年分(私は念のため2年分取得しました)
    • 証明書には年間総所得と納税状況が明記されている必要があります。
    • お住まいの市町村発行の証明書に両方の情報が含まれている場合は、いずれか1通で構いません。
    • 特例:上記の書類を提出できない場合(例:入国後1年未満の場合など)は、源泉徴収票の写しや給与明細書の写しで代用します。

  • B. 期限内納税の証明(転職等で住民税を自分で納付している場合)
    • 会社員で、直近1年間を通じて住民税が給与から天引き(特別徴収)されている場合は、この資料は不要です(AのみでOK)。
    • 直近1年間、住民税を期限通りに納付していることを証明する資料(例:預金通帳の写し、領収証書など)
    • 注意(これで不許可になるケースが多いです):納付遅れがないことを証明するため、コンビニ等で自分で納付した際の領収書は絶対に保管しておいてください。
    • 銀行口座の取引明細について:Web通帳の画面印刷でも、取引履歴が表示され、かつ編集不可能なものであれば認められます。Excelファイルは不可です。
念のため、私は1年前の源泉徴収票も提出し、年収(総支給額)が確認できるようにしました。

国税の納付状況証明

国税の納税証明書(その3)を提出します。
  • 申請人および扶養者分
  • 発行場所:住所地を管轄する税務署
  • 要件:以下の5税目すべてについて、証明書発行日時点で未納がないことを証明するもの。
    • 源泉所得税及び復興特別所得税
    • 申告所得税及び復興特別所得税
    • 消費税及び地方消費税
    • 相続税
    • 贈与税
  • 「その3」は現在の状況を証明するものなので、対象期間の指定は不要です。
取得すると、以下のように5つの項目について未納がない旨が記載された書類がもらえます:

高度専門職から永住権申請へ!必要書類の詳細ガイド

その他の収入証明資料(必要な場合)

経済的な説得力を高めるため(または本業の収入だけでは不十分な場合)、以下を追加で提出できます:
  • 預貯金通帳の写し:適宜。
  • 上記に準ずる資料(株式等の証書など):適宜。
注:Web通帳の取引履歴明細の印刷は、編集不可であれば認められます。Excelファイルは不可です。


→ パート6(税金関係書類)のまとめ: 申請人と配偶者の以下の書類が必要です:
  • 市役所で取得(直近1年分)
    • 課税証明書/非課税証明書
    • 納税証明書
  • 税務署で取得
    • 納税証明書(その3)


7. 公的年金・公的医療保険の保険料納付状況を証明する資料

これは、あなたと扶養者が直近1年間、健康保険と年金の支払い義務を適切に履行していることを証明する必須書類です。

個人情報の保護に関する重要事項:基礎年金番号、医療保険の保険者番号、および被保険者記号・番号が記載されている書類(写しを含む)を提出する際は、必ずその番号部分を黒塗り(マスキング)して復元できないようにする必要があります。

直近1年間の年金納付状況証明

年金に関する書類です。

国民年金以外の年金(厚生年金等)に加入している場合:

以下のAまたはBのいずれかを提出します。
  • A. 「ねんきん定期便」の写し(全期間分):
    • 要件:年金記録の全期間が記載されているものであること。
    • 注:毎年ハガキで送られてくるものは全期間が確認できないため不可です。電話で全期間分の発行を依頼できます(届くまで2ヶ月程度かかる場合があります)。
  • B. 「ねんきんネット」の「各月の年金記録」の印刷画面:
    • 要件:日本年金機構のウェブサイトで「ねんきんネット」への登録が必要です。
  • マイナンバーカードがあれば、「ねんきんネット」にログインし、「ねんきん定期便」や「各月の年金記録」をダウンロードして印刷できるため、非常にスムーズです。

直近1年間に国民年金の加入期間がある場合:

上記のAまたはBに加え、以下の書類も提出が必要です:
  • C. 国民年金保険料領収証書の写し:
    • 要件:直近1年間のうち、国民年金に加入していた全期間分の領収書の写しを提出します。
    • 目的:納付遅延がないことを証明するためです。
    • 特例:直近1年間すべて国民年金に加入しており、12ヶ月分の領収証書(C)がすべて揃っている場合は、AやBの提出は不要です。
    • 領収書の提出が困難な場合は、理由書を添付してください。
    • 注意(これで不許可になるケースが多いです):年金をきちんと納付していることを証明するため、コンビニ等で自分で納付した際の領収書は絶対に保管しておいてください。

私の実体験では、入管から追加で以下の2種類の書類(申請人と扶養者分)を年金事務所で取得するよう求められることがありました:
  • 被保険者記録照会回答票
  • 被保険者記録照会(納付I & 納付II)

直近1年間の医療保険納付状況証明

健康保険(保険証)に関する書類です。

健康保険(社会保険)に加入している場合:

  • A. 健康保険被保険者証(保険証)の写し(世帯全員分)。
  • 通常、会社員で社会保険に加入している場合は、以下のB, C, Dの書類は不要です。

国民健康保険に加入している場合:

  • B. 国民健康保険被保険者証の写し(世帯全員分)。
  • C. 国民健康保険料納付証明書。
  • D. 国民健康保険料領収証書の写し:
    • 要件:直近1年間のうち、国民健康保険に加入していた全期間分の領収書を提出し、納付遅れがないことを証明します。
    • 提出できない場合は、理由書を添付してください。
    • 注意(これで不許可になるケースが多いです):保険料をきちんと納付していることを証明するため、コンビニ等で自分で納付した際の領収書は絶対に保管しておいてください。

2024年12月以降の健康保険証に関する注意:

マイナ保険証への移行に伴い、現行の健康保険証の有効期限が2024年12月2日以降に切れる場合は、以下を提出します:
  • マイナ保険証保有者:マイナポータルの「被保険者資格情報」画面の写し(3ヶ月以内のもの)。
  • マイナ保険証未保有者:「資格確認書」の写し。
  • 提出できない場合は、理由書を添付してください。

特例:事業主の場合

あなたが社会保険適用事業所の事業主である場合、直近1年間(事業主である期間)において、会社が社会保険料(健康保険・厚生年金)を適切に納付していることを証明する書類が必要です。
以下のいずれかの書類を提出し、未納がないことを証明します:
  • A. 健康保険・厚生年金保険料領収証書の写し
    • 要件:事業主であった直近1年間の全期間分。
  • B. 社会保険料納入証明書 または 社会保険料納入確認(申請)書
    • 取得方法:日本年金機構に所定の様式で申請します(「未納がないこと」を証明するもので、対象範囲は「延滞金を含む」を選択)。

→ パート7(年金・保険関係書類)のまとめ: 申請人と配偶者の以下の書類が必要です:
  • 年金関係:
    • 年金事務所等で取得
      • ねんきん定期便(全期間)
      • 各月の年金記録
      • 被保険者記録照会回答票(求められた場合)
      • 被保険者記録照会(納付I & 納付II)(求められた場合)
  • 保険関係:
    • 健康保険証の写し(世帯全員分)

8. 高度専門職ポイント計算表

これは高度人材ルートで永住申請をする人専用の項目です。直近1年間の全期間を通じて、常に80点以上を維持していたことを証明する必要があります。

現在のポイント計算表

既に入管から80点の認定を受けている場合

「高度人材外国人」としての認定通知を受け、そのビザで継続して1年間日本に在留している場合。
  • 「高度専門職ポイント計算結果通知書」の写しを提出します。
  • 注:これは在留資格認定証明書(COE)交付時や、高度専門職への在留資格変更時に交付される書類です。

80点認定の通知書を持っていない場合

ポイント計算結果通知書を受け取っていない場合は、永住申請日の1年前の時点で80点以上あったことを証明する必要があります。

永住許可申請の1年前の時点でのポイント計算表を作成し、提出してください。その時点でも80点以上である必要があります。

私のケース:私は70点の高度専門職ビザを持っていましたが、その後JLPT N1に合格し、80点以上になりました。永住申請時には70点時代の通知書は提出せず、代わりに「1年前から80点以上あったこと」を証明する資料一式を改めて提出しました。

9. 高度専門職ポイントの疎明資料(証明書類)

項目8で提出したポイント計算の結果を裏付けるための資料です。
  • 合計点が80点以上になることを証明する資料を提出します。すべてのポイント項目について証明する必要はありません。合計が80点の基準を超えるために必要な項目の資料を選んで提出してください。
    • 例:
      • 日本語能力試験(JLPT)N2またはN1の認定証
      • 過去の勤務先からの退職証明書(社印があり、カラー印刷されたファイルであれば、数年前のものでも認められます)
  • ビザ変更時等に交付された「高度専門職ポイント計算結果通知書」を提出する場合は、その当時のポイント証明資料を再度提出する必要はありません。
  • 過去の資料の再利用:過去に入管に提出した資料を再利用したい場合は、「資料転用願出書」を提出してください。 

10. 資産を証明する資料

  • 銀行預金: 預貯金通帳の写し(適宜)。
    • 注:Web通帳の明細印刷も可能ですが、編集不可能な状態である必要があります(Excel不可)。
  • 不動産: 不動産の登記事項証明書(所有している場合)
  • その他準ずる資料: 上記に準ずる資産証明資料(例:有価証券の保有証明書など、適宜)。

11. 申請人のパスポートまたは在留資格証明書の提示

申請時には、申請人のパスポート(旅券)または在留資格証明書を提示する必要があります。

提示できない場合は、その理由を記載した理由書を提出してください。


12. 申請人の在留カードの提示

申請時には、在留カードの原本を持参してください。
また、資格外活動許可書をお持ちの場合は、それも持参してください。


13. 身元保証人に関する資料

永住申請における身元保証人を特定し、確認するための書類です。身元保証人は、日本人または永住者の外国人がなることができます。
  • 身元保証書: 身元保証書 (PDF)
  • 身元保証人に関する資料:運転免許証の写しなど(身分事項が確認できるもの)

14. 了解書

2021年10月1日以降、永住許可申請において「了解書」の提出が必須となりました。
ダウンロードはこちら: 了解書 (PDF)


このチェックリストの各項目を丁寧かつ確実に準備できたなら、おめでとうございます。成功確率は90%以上と言えるでしょう。永住権は単なるビザではなく、日本での長期的かつ安定した未来へのパスポートです。常に最新の規定を出入国在留管理庁(入管)のウェブサイトで確認することをお勧めします。

あなたが永住権を無事取得できるよう、心より応援しています!

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Le Minh Thien Toan

著者:Yuto

皆さん、こんにちは。私は日本で働いているITエンジニアです。このブログは、日本での生活や学習・仕事の経験をシェアするために作りました。
この記事がお役に立てば幸いです。

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